「神社新報」という新聞がある。
神社界唯一の新聞(週刊)だ。だが名前すら知らない人が多いだろう。或いは名前は知っていても、神社界の業界紙とか神社本庁の御用新聞というイメージで、余り読む気にはならない人が殆どかも知れない。ところが、このところ私が接触するメディア関係者で勉強熱心な人は、意外と同紙を読んでいる。恐らく理由は次の2つだろう。(1)御代(みよ)替わりを控え、その方面の情報を最も詳しく扱っている(かつその記述は概ね正確だと思われている)。(2)昨今、神社本庁をはじめ神社界を巡るトラブルが続いていて、その方面でも抑制的ながら案外貴重な情報も載せている。(2)については、例えば『週刊金曜日』(11月23日号)の記事では、同紙が重要な情報源になっていた。(1)関連では、同紙12月3日号にも「宮内庁公表予算関係資料を見る」という神保郁夫氏(神社本庁参事)の興味深い記事が載っている。公表された宮内庁関係予算(皇室費と宮内庁費)の分析だ。同記事にはこんな指摘があった。「とくに目をひくこととして、上皇・上皇后両陛下行幸啓(ぎょうこうけい)供奉(ぐぶ)予算約三千三百万円などが計上されてゐる」と。これは私も見落としていた(但し記事中、宮内庁を「内閣府の外局」
としているのは正確ではあるまい)。